パートと契約社員って何が違うの?~非正規社員の雇用形態の違い~

パート

勤務時間や期間などによる雇用形態の違い

日本の全労働力の3割以上を占める?

非正規社員と呼ばれる労働者にはパートタイマー、アルバイト、契約社員、期間雇用などがあります。この非正社員労働者は日本で雇用されている労働者全体において、実に3割以上を占める主要な労働力。とはいえ、意外とその違いを理解せずに雇用している経営者も多いのではないでしょうか?

通常の労働者である正社員との違いは、長期雇用を前提としていないこと。非正規社員の多くは、雇用期間が限定されています。そして、それぞれの労働者とどのような雇用契約を結ぶかについては明確な定義や決まりはなく、労働に関する諸規制に反しない限り、基本的に事業主は自由に決めることができます

パートタイマー、アルバイトとは?

時間や期間等を限定して雇用される

パートタイマー

パートタイマー短時間労働者のことをパートタイマーと呼ぶことが多いようです。パートタイマーは正社員である通常の労働者に比べて所定労働時間が短い、あるいは所定労働日数が少ない労働者のことをいいます。短時間労働者はパート労働法で就労や雇用条件の規定があります。

アルバイト

一方、アルバイトは定められた雇用契約があるわけではありません。正社員に比べて勤務時間が短く、一定の期間に限って臨時的に雇用する場合にアルバイトと呼ぶことが多いようです。したがって、勤務時間が短い場合にはパートタイマーに準じた契約が結ばれ、一定の期間に限って雇用される場合には後述する期間雇用に準じた契約が結ばれます。

契約社員とは?

一般的には、雇用期間を定めた労働者のこと

実は、契約社員についての明確な定義はありません。

一般的には事業主と労働者で結ぶ雇用契約において、仕事内容や雇用期間、賃金などを定めた労働者のことをいいます。契約内容についてはとくに決まりはありませんが、雇用期間については無期限の雇用契約である正社員と比べて、雇用期間は最大3年(専門的な技術や職種の場合最大5年)以内の契約を結ぶことになり、雇用期間終了時に契約を更新すれば雇用が継続されることになっています。こうした契約期間等の就労条件については労働基準法で定められています。

定型的な業務を行う事務職などのパートタイマーや早期退職が見込まれる労働者、あるいは定年退職した後の嘱託などを雇用する場合、雇用契約時に期間や業務を定めて雇用するため、契約社員と呼ぶことも多いようです。

IT関連企業には契約社員が多い?

IT系契約社員一方、専門的な能力をもつ人を雇用する場合にも契約社員という雇用形態が使われます。職種でいえば、IT関連企業にいるシステムエンジニアやWEBデザイナーなど専門技術をもつ労働者です。

各自の専門能力を生かして業務を行ってもらうため、専門能力活用型契約社員とも呼ばれ、賃金は年棒制の労働者もいます。この専門能力型契約社員の雇用契約では具体的な専門能力や仕事内容、支払う賃金などについて予め定められている場合が多く見られます。

期間雇用とは?

繁忙期のみ採用されるなど、雇用期間が定められた契約

期間雇用は期間を定めた有期的な雇用形態のことです。該当する業務が季節により繁忙期と閑散期がある場合などに活用されることがあります。たとえば、冬場だけ人手が必要となるスキー場の指導スタッフや駐車場の管理者などです。

また、臨時業務が発生した場合や一定期間ごとに契約の更新を判断する場合などでも、この期間雇用という形態が用いられることが多いようです。

また、期間雇用とは言うものの、通常の労働者よりも勤務時間が短い場合はパートタイマーでもあり、臨時的に雇われたアルバイトともいえますので、雇用形態としてはそれぞれに重複した部分もあるわけです。

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