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京都府の弁護士事情

古都京都として世界的に知られる京都府の弁護士事情は、法曹人口に関する基礎的資料を参照すると、平成13年の時点で京都弁護士会に所属している弁護士は331名でしたが、10年後の平成23年には532名まで増進していました。明治26年に創設された長い歴史を有する京都弁護士会は、「市民に開かれた、頼りがいのある弁護士会」を目指し、地域に根差した活動を行っています。京都市内だけでなく、京丹後市、木津川市、南丹市など、府内各地に法律相談センターを設置し、体制の充実に尽力しています。また、無料相談会を開催するなど、府民が法律に関して知識を深めていけるよう、自治体との協力体制を構築しています。

京都府の現況

平成22年10月の国勢調査によると、京都府の人口は2,636,092人でした。平成17年には2,647,660人だったため5年間で-0.4%となります。15歳以上の就業者数は1,219,370人となっており、そのうち819,831人が、運輸・通信・商業・金融・公務・サービス業などの第3次産業に就業しており、全体の73%を占めています。県内総生産は、9.37兆円(平成25年度)です。

弁護士数に関しては比較的恵まれています

平成23年の「弁護士白書」によると、京都府の弁護士1人当たりの人口比率は4,955人となっています。弁護士過疎、偏在の解消状況を調査したデータによると、都道府県別では第3位に位置しており、東京都、大阪府に次いで恵まれた環境にあるようです。平成23年から現在においても新規開業する弁護士は増え続けている状況で、更に充実した環境になることが予測されています。

京都府の経済動向

京都府の経済動向ですが、府内金融機関が発表した平成28年2月の京都府経済の動向によると、府内景気は「回復基調である」 とされています。生産は横ばい傾向にありますが、雇用情勢は緩やかな回復傾向を見せています。一方、消費額は2か月連続で前年同月を下回っている状況です。先行きに関しては、海外景気の動向、原油価格の変動に伴う影響などを注視する必要があるとしています。個人消費は、食料品部門で増加したものの、衣服部門等で減少しており、前年同月比は-0.4%となりました。しかし、宿泊施設の客室稼働率は前年同月差で+6.2%と上昇しており、海外からの観光客数が増加していることで、観光産業が上向いていると判断されています。

京都府の企業状況

京都府の会社数・事業所数は、平成26年度7月時点で127,561事業所となっており、全国の総事業所数5,926,804の約2.2%を占めています。エリアとしては、京都市に集中しており、その数は全体の60%以上を占めています。ほかには、宇治市、福知山市などに事業所が多く在りますが、全体の3%程度です。内容を産業の大分類別で調べると、卸・小売業、製造業が多いのですが、観光業が盛んな土地柄から、宿泊業、飲食サービス業も発展しています。

平成24年の時点では125,948事業所であったため、2年間で0.9%減少していることがわかります。一方、平成24年から26年の間に新設された事業所数は20,998となっており、従業者数は3.1%増で、雇用状況は上向いているようです。

京都府の労働者状況

企業が弁護士を必要とする主な事情は、企業間で交わす契約書の精査等の理由のほか、労使間トラブルへの備え、顧客からのクレームへの対応などがあります。次は労働者側から見た京都府の労働状況を調査しました。

京都府では非正規雇用者数が増して来ています

卸・小売業、製造業が産業の中心である京都府ですが、総務省が雇用形態を調査したデータによると、非正規雇用者の割合は平成24年の時点で41.8%と比較的高めです。雇用形態別雇用者数の推移をみると、平成19年には非正規雇用者の割合は40.0%であったため、この5年間で1.8%割合を高めており、雇用の安定性においては大きな懸念を感じさせます。

京都府の平成28年1月の有効求人倍率は1.28倍となっており、全国平均の1.28倍と同じ数値となります。平成22年には0.59倍と売り手市場の数値でしたが、平成26年に1.0倍を超えて以降は徐々に買い手市場へと変化しています。また、平成25年度の完全失業率は3.8%で、全国平均のレベルとなっています。

京都府民の個人所得は全国第10位です

非正規雇用者の割合が増して来ている京都府における府民所得は、平成22年のデータによると、個人の年間所得の平均は272.66万円で、都道府県別では第18位です。府内金融機関の調査では、雇用情勢は緩やかな回復傾向を見せているとされており、府内全体の就業者数も3%程度増進しているため、前向きに捉えることが出来る環境が整いつつあります。

京都府の長時間労働問題は解決されつつあります

総務省の都道府県別有効求人倍率と常用労働者1人あたりの平均月間総実労働時間数で近年の推移を見てみると、平均月間総実労働時間数は、平成22年度には147.2時間でしたが2年後の24年度には143.8時間となり、少し改善されています。また、平成25年度には143.2時間と引き続き減少させており、全国平均の149.3時間を下回る状況となっています。所定外労働においては、全国平均が12.4時間のところ京都府は12.8時間です。これらのデータから長時間労働の問題は全体としては解決されてきていると判断できるでしょう。

京都府の労働者は職場環境の改善を訴えています

長時間労働問題はほぼ改善されており、比較的恵まれた労働環境にあると思われる京都府ですが、個別の問題に目を向けると、ストライキなどの労働争議が複数回確認されており、労使間のトラブルが少なくないことがわかります。

パワハラ関連の相談が増え続けています

厚生労働省の発表によると、平成26年度の全国の総合労働相談は1,033,047件で、7年連続で100万件を超えています。京都府の総合労働相談件数は25,426件で、そのうち民事上の個別労働紛争相談(労働者と事業主との間の労働に関するトラブル)は6,554件となります。内容に関しては、パワハラを含む「いじめ・嫌がらせ」に関する相談件数が年々増加しているようです。

労働相談は雇用形態に関わらず多数寄せられています

総合労働相談を雇用形態別で調べると、正規労働者からの相談の割合は49.2%を占め、前年度から17.7%と大きく増しています。非正規労働者からの相談の割合は33.5%となっており、前年度から1.6%増となります。内容としては、賃金、退職および退職金、労働時間、休日など労働条件に関することが最多で、全体の60%以上です。

整理解雇の撤回または補償金支払いを求めた事例

申出人は、業績不振を理由に解雇を通告されたが、それほど業績が悪化しているとは思えず解雇の撤回を求めたが認められなかった。 そのため、解雇撤回を求めるとともに、撤回が出来ないなら経済的、精神的損害に対する補償金として150万円の支払いを求めた。あっせん委員が双方の主張を聞いたところ、会社側は復職部署は会社が決めることを条件に解雇を取消し、その間の給料を支払うことなどを提示したが、申出人は、復職先を会社が決めることに難色を示し、金銭による解決の意向を示した。これらの事情を踏まえ、あっせん委員が調整した結果、解決金として60万円を支払うことで合意が成立し、解決した。

ストライキ等の深刻な労働争議が起こっています

厚生労働省が発表した「都道府県、労働争議の種類別件数、参加人員及び労働損失日数」データによると、京都府では総争議件数は51件と全国平均レベルを超えています。このうち、争議行為を伴う争議が31件と多数確認されており、参加人員は7,100人となっています。労働損失日数も合わせて1,405日あり、企業の経済活動に重大な影響を及ぼしています。

企業は、民事上の個別労働紛争や、集団による労働争議を回避するべく早期に適切な対策を取らなければいけませんが、もし、紛争・争議となった場合には、労働者側の観点で労働問題をサポートできる弁護士も増加しているため、企業としても法令を遵守し、顧問弁護士と相談しながら労働問題に当たらなければいけないでしょう。

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