契約を守らない相手にはどう対処する?

契約を守らない

相手が約束を守らないことも想定しておく

契約を守らない相手にできることは?

契約を結ぶことで法的な権利・義務が生まれ、当事者は基本的に契約を守らなければなりません。そして、契約の白紙撤回はできません。ですが、もしも相手がその内容を守らなかった場合どうすればいいのでしょう。

1.履行の強制

相手に契約を守らせる

契約は、基本的に守らなければならないという原則があります。契約を結ぶことで、契約の内容によって法的な権利・義務が発生します。

契約を交わした相手が約束を守らず、基本的義務を果たさなかった場合、相手は債務不履行となります。この場合、国家の力を借りてでも、相手に契約を守らせることができます。これを「強制執行」と呼びます。

2.損害賠償請求

実損害は請求することができる

法律に違反すると、違法行為として相手に損害賠償を請求することができます。同じように、契約に違反しても、契約違反として相手に損害賠償を請求することができるのです。

たとえば、契約でとり決めた商品を納品したにもかかわらず、代金を請求しても支払われなかったとします。つまり、これは相手が売買契約の義務を果たさなかったので、極端に言えば、裁判に訴えてでも代金を取り立てることができわけです。これを損害賠償と呼びます。

ただし、ここで請求できるのは、実損害だけです。実損害とは、相手が契約を守らなかったために、具体的に受けたと証明できる損害です。一般でいう慰謝料やペナルティなど、実損害に上乗せした金額等は請求できないので、その点は心得ておきましょう。

しかし、「契約違反の場合には、ペナルティとして実損害の額にいくら上乗せして支払う」など、損害賠償について予め取り決めて、契約に盛り込んでおくことは可能です

3.契約解除

契約を解除できるケースとは

前述のように、基本的に契約は白紙撤回できません。もちろん、契約時に解除するタイミングや方法を約束しておくこともできますので、その場合は、契約内容にそって解約・解除といった契約のキャンセルができます。そうした約束がない場合、契約が成立すれば、当事者の一方がその都合によって契約を解約することはできません

しかし、相手が契約を守らない、つまり、相手が債務不履行となった場合や、相手の信用状態が悪化しているケースなど、契約を継続させるのに支障が起きた場合は、契約書に記載がなくても民法の規定により、契約を解除することができます。

すぐに契約解除できない場合もある

とはいえ、履行の遅滞や品物の完成度が悪いなど不完全履行の場合は、まだ履行が可能であることから、すぐに解除することはできません。当事者はまず催告する、つまり、債務の履行を請求することから始めることになります。

一方、当事者がお互いに納得して合意した場合は、契約を解除することができます。これを「合意解除」と呼びます。合意解除はおよそどのような契約も対象となり、当事者間の合意による契約の解除によって、契約がなかった状態に戻ります。こうした合意解除は、契約に限って設けられた独特なルールです。

緊急事態に備える期限の利益喪失

支払い期日より前に、相手に請求できる場合がある

claim期限の利益とは、金銭の債権債務に関わる契約の条項です。契約では、約束した期限までは債務者に支払いの猶予が与えられるという権利があります。つまり、あなたの会社がA社に商品を販売して、その代金の支払いが1ヵ月後と契約していれば、A社には1ヵ月後まで支払いの猶予が与えられているわけです。

ところが、A社の経済状況が急に悪化し、「1ヵ月後まで支払いを待てばA社には金銭がすべてなくなってしまう…」といった事態になった場合、あなたの会社は大きな損害を被ってしまいます。

条項の実行自体は難しい場合も

こうした緊急事態によって、契約どおりに支払期限まで待っていると債権者に大きな損害が発生することを防ぐためにあるのが「期限の利益喪失」です。この条項が契約書に盛り込まれていれば、緊急事態が起こった場合、期限を待たずして支払いを請求することができます。ただし、この条項が実行できるのは、極めて限定的な状況ですので、それほど簡単に使えるものではないことも知っておきましょう。

商品の引き渡しによる所有権の移転時期

いつ所有権が切り替わるのか

ビジネスの現場では、商品の引き渡し時期についても留意しておくことが大切です。それによって損益が変わってくる事態もあるからです。所有権の移転時期とは、売買契約において、品物の所有権がいつ売る側から買う側へ切り替わるかということです。

民法では複雑に定められているのですが、一般には、売る側が商品を引渡しと所有権の移転時期を一致させているケースが多いようです。けれども、商品を引渡してしまった後に代金が支払わなければ、商品を取り戻せない限り、売る側にとっては大きな損害となる可能性があります。

代金の支払い後に所有権を移転する?

このような事態を防ぐために、契約では、商品の引渡し後も代金の支払いがなかった場合、売る側が商品を取り戻すことができるようにするため、所有権の移転時期を代金の支払いが済むまで遅らせることがあります。ただし、所有権の移転時期については、売る側と買う側の立場によって意見の相違が出てくるため、注意して契約を結ぶことが必要です。

危険負担も知っておこう

事故や天災にも留意した契約を

台風危険負担とは、契約の成立後に、当事者の責任によらず一方の債務が消えてしまった場合に、他方の債務が続くのかどうかという問題です。

たとえば、不慮の事故や天災等で約束していた商品が納品されなかった場合でも、契約を結んでいれば、商品を受け取れなかったとしても、代金を支払わなければならない状態になってしまうのか…といった問題です。

契約上は代金を支払う義務がある?

契約上は、契約が解除されない限り、代金を支払う義務があります。しかし、防ぎようのない事態や状況について、どちらかが不利益になるような場合は、その対処方法を事前に契約に盛り込んでおくことができます。

たとえば、「不慮の事故や天災により納品されなかった場合は、支払いの義務はなくなる」など、できる限りの状況を想定して契約内容に盛り込んでおくことで、こうした事態を防ぐことができるのです。

契約違反は罪になる?

罪にはならないからこそ、専門家による判断を

日本では、たとえば、「当事者同士が結んだ契約にそって商品の代金を支払わなかった」など、契約上の義務を果たさなかったからといって、それだけで逮捕されたり、刑務所に入れられたりすることはありません。つまり、契約違反罪という法令はないのです。

ですから、事業活動を行ううえでは、相手に契約違反をされる可能性について、常に考えていたほうが賢明です。そのためにも、弁護士などの専門家によるアドバイスを受けるなどして、きちんとした実効力のある契約を交わすことを心がけましょう。

罪になる場合も専門家に

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