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宮城県の弁護士事情

米づくりを中心とする農業や全国屈指の水揚げ量を誇る漁業が盛んな宮城県の弁護士事情を調べると、平成13年の時点で仙台弁護士会に所属している弁護士は216名でしたが、10年後の平成23年には361名まで増加していました(法曹人口に関する基礎的資料参照)。仙台弁護士会では、常に県民の基本的人権を擁護し、社会正義を実現するため、地域に根差した活動を行っています。また、東日本大震災および東京電力福島第一原子力発電所事故災害からの復興を目指し、県民(震災時に県内にお住いの方を含む)を対象とする無料法律相談や被災ローン減免制度の利用などを推進しています。古川、気仙沼、 登米など県内5箇所に支部センターを設置しており、いつでも気軽に利用できる環境づくりに尽力しています。

宮城県の現況

平成22年10月の国勢調査によると、宮城県の人口は2,348,165人でした。平成17年には2,360,218人だったため5年間で0.5%と僅かながら減少させています。15歳以上の就業者数は1,059,416人となっており、そのうち746,752人が、運輸・通信・商業・金融・公務・サービス業などの第3次産業に就業しています。農業、漁業が盛んなこともあり、第1次、第2次産業に就業する人の割合も高いのですが、近年は減少傾向にあります。県内総生産は、8.05兆円(平成25年度)です。

弁護士数は依然として不足しています

平成23年の「弁護士白書」によると、宮城県の弁護士1人当たりの人口比率は6,505人となります。弁護士過疎、偏在の解消状況を調査したデータによると、都道府県別では第9位に位置しており、比較的恵まれた環境に見えますが、県民からのニーズは年々高まってきているため、現状で充分とは言えない状況です。そのため、県内で新規開業する弁護士を増やすため、弁護士会が中心となって努力しています。

宮城県の経済動向

宮城県の経済動向ですが、平成28年2月に県が発表した県内経済の概況によると、全体基調としては「緩やかに回復している」 と報告されています。内容としては、生産は弱含んでおり、個人消費など一部に弱い動きがみられるが、住宅投資や求人倍率は高水準で推移していると判断しています。生産の弱含みの要因は東日本大震災の影響であり、企業倒産は小康状態が続いているものの楽観視できない状況のようです。一方、雇用に関しては改善傾向の動きを見せており、県民所得の向上が期待されています。

宮城県の企業状況

宮城県の会社数・事業所数は、平成26年度7月時点で106,438事業所となっており、全国の総事業所数5,926,804の約1.8%を占めています。エリアとしては、仙台市が最多となっており、続いて石巻市、大崎市です。産業の大分類別で就業者数の割合をみると、卸、小売業、製造業に就業されている方が多いのですが、農業、林業、漁業関連の事業所に就業する方も多く、約10万人となっています。

平成24年の時点では98,190事業所であったため、2年間で5%以上伸張させていることになります。また、平成24年から26年の間に新設された事業所数は21,958と全国平均レベルですが、従業者数は5.8%増となっているため、宮城県の企業状況は発展傾向となりつつあるようです。

宮城県の労働者状況

企業が弁護士を必要とする主な事情は、企業間で交わす契約書の精査等の理由のほか、労使間トラブルへの備え、顧客からのクレームへの対応などがあります。次は労働者側から宮城県の労働状況を調査したデータです。

宮城県では非正規雇用者数が増して来ています

製造業が産業の中心である宮城県ですが、総務省が雇用形態を調査したデータによると、非正規雇用者の割合は平成24年の時点で39.3%と比較的高めです。雇用形態別雇用者数の推移をみると、平成19年には非正規雇用者の割合は35.9%だったため、この5年間で3%以上割合が増していることになります。東日本大震災からの復興事業が影響を及ぼしていると考えられますが、非正規雇用者の割合が高くなっていることは県内経済にとって好材料とは言えないでしょう。

宮城県の平成28年1月の有効求人倍率は1.36倍となっており、全国平均の1.28倍を超える買い手市場となっています。平成22年には0.47倍と大きく売り手市場の数値でしたが、平成24年に1.0倍を超えてからは徐々に倍率が上がり、最近は1.4倍前後で推移しています。また、平成25年度の完全失業率は4.1%で、全国で10番目に高い数値となっています。

宮城県民の個人所得は全国第35位です

非正規雇用者の割合が上昇している宮城県の県民所得をみると、平成22年のデータでは、個人の年間所得の平均は245.04万円で、都道府県別では第35位とあまり高くありません。県の経済動向において雇用情勢は改善傾向の動きを見せていると判断されているため、県民の平均所得の上昇も期待されています。

宮城県民の労働時間は全国平均を上回っています

総務省の都道府県別有効求人倍率と常用労働者1人あたりの平均月間総実労働時間数で近年の推移を見てみると、平均月間総実労働時間数は、平成22年度には152.0時間でしたが2年後の24年度には152.5時間とやや増し、平成25年度には152.6時間と引き続き増加させています。全国平均の149.3時間を上回る状況が継続しています。所定外労働においては、全国平均が12.4時間のところ宮城県も同じく12.4時間のため、労働問題に発展するリスクとしては大きくないようです。

宮城県の労働者は権利を守るため積極的に行動しています

非正規雇用者の割合が高く、長時間労働が常態化している宮城県では、労働者からの相談件数は増え続けており、ストライキなどの労働争議も年に数回確認されています。

労働相談の件数は増加傾向にあります

厚生労働省の発表によると、平成26年度の全国の総合労働相談は1,033,047件で、7年連続で100万件を超えています。宮城県の総合労働相談件数は22,801件で、そのうち民事上の個別労働紛争相談(労働者と事業主との間の労働に関するトラブル)は5,288件と過去最多です。内容に関しては、解雇など雇用関連の相談のほか、パワハラを含む「いじめ・嫌がらせ」に関する相談が増えてきており、こちらも増加傾向を見せています。

「いじめ・嫌がらせ」に係るあっせんの事例

申出人は、体調不良で通院のため早退することがあった。社長等に対しその旨伝えたところ、心ない発言を受けた。 そのため精神的に追い込まれ、退職せざるを得なくなった。社長に、発言に対して謝罪と補償金の支払いを求めたところ、謝罪はあったが補償金の支払いはなされなかった。 このため、補償金として1、2年分の賃金補償(100~200万円)の支払いを求めたいとしてあっせん申請を行った。 あっせん委員が双方の主張を聞き、被申出人が金銭解決の考えを示したものの、補償額において折り合いがつかなかった。あっせん委員が双方に調整を行ったところ、解決金と して60万円を支払うことで合意が成立し、解決した。

労働争議に関するリスクは少なくありません

厚生労働省が発表した「都道府県、労働争議の種類別件数、参加人員及び労働損失日数」データによると、宮城県では総争議件数は18件と数においては全国平均以下ですが、このうち争議行為を伴う争議が8件確認されており、参加人員は1,004人となっています。労働損失日数は14日と比較的少ないのですが、けっして見過ごせない状況です。

企業は、民事上の個別労働紛争や、集団による労働争議が発生しないようリスク管理をしなければいけませんが、もし、紛争・争議となった場合には、労働者側の観点で労働問題をサポートできる弁護士も増加しているため、企業としても法令を遵守し、顧問弁護士と相談しながら労働問題に当たっていく必要があります。

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