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高知県の弁護士事情

日本最後の清流 四万十川で知られる高知県の弁護士事情を調べると、平成13年の時点で高知弁護士会に所属している弁護士は51名でしたが、10年後の平成23年には80名まで増していました(法曹人口に関する基礎的資料参照)。高知弁護士会は、地域に根差し、県民から信頼される弁護士会を目指して、積極的に諸活動に取り組んでいます。誰でも気軽に利用できる環境をつくるため、佐川、室戸など県内3か所で無料法律相談を実施し、インターネットから24時間いつでも相談予約が出来る体制を整えています。また、定期的に無料相談会を実施しており、内容としては、解雇や賃金未払い、パワハラなどの労働問題や奨学金の返還に関する問題等があります。

高知県の現況

平成22年10月の国勢調査によると、高知県の人口は764,456人でした。平成17年には796,292人だったため5年間で4.0%と大きく減少させています。総人口における65歳以上の高齢者の割合は28.8%と全国平均を上回っており、高齢化が加速しています。15歳以上の就業者数は335,775人で、そのうち70%の人が、運輸・通信・商業・金融・公務・サービス業などの第3次産業に就業しています。県内総生産は2.16兆円(平成25年度)で、都道府県別では第46位に位置しています。

弁護士の数は未だ充分ではありません

平成23年の「弁護士白書」によると、高知県の弁護士1人当たりの人口比率は9,556人となっています。弁護士過疎、偏在の解消状況を調査したデータによると、人口が少ないこともあり全国的には平均レベルにありますが、平成13年から平成23年までの増加率は156.9%と高くないため、今後より一層充実した環境になるよう弁護士会が中心となって努力しなければいけないでしょう。

高知県の経済動向

高知県の経済動向ですが、県内金融機関が平成28年3月に発表した経済概況によると、基調としては「緩やかに回復しつつある」と報告されています。内容を見ると、個人消費は、季節要因による一時的な弱さがみられるものの、基調的には底堅く推移していると判断されています。観光業は、堅調さを維持しているものの、団体需要に弱さがみられています。企業の設備投資は緩やかな増加基調にあり、公共投資は高水準で推移しています。製造業の生産は、緩やかな持ち直し基調を維持していますが、一部では横ばい圏内の動きにとどまっています。 一方、雇用環境は上向いており、雇用者所得も緩やかに増加していると判断されています。 先行きについては、国内経済の緩やかな回復が続く中で、県内景気も緩やかに回復していくと考えられています。

高知県の企業状況

高知県の会社数・事業所数は、平成26年度7月時点で39,343事業所となっており、全国の総事業所数5,926,804の0.7%の割合です。エリアとしては高知市に一局集中している状況です。内容を産業の大分類別で調べると、卸・小売業、製造業が占める割合が高いのですが、観光産業が盛んなため、宿泊業、飲食サービス業の事業所数も多めです。

平成24年の時点では38,378事業所であったため、この2年間で1,000近く増しているようです。平成24年から26年の間に新設された事業所数は5,202と全国平均より少ないのですが、従業者数は1.1%増している状況です。県内経済が緩やかに回復していくとみられていることもあり、雇用環境は上向いているようです。

高知県の労働者状況

企業が弁護士を必要とする主な事情は、企業間で交わす契約書の精査等の理由のほか、顧客クレームへの対応、労使間トラブルへの備えなどがあります。次は労働者側から見た高知県の労働状況を調査したデータです。

非正規雇用の割合が増しています

県内経済が回復傾向を見せている高知県ですが、総務省が雇用形態を調査したデータによると、非正規雇用者の割合は平成24年の時点で36.8%と全国平均レベルです。雇用形態別雇用者数の推移をみると、平成19年には非正規雇用者の割合は33.3%であったため、全国的に増加傾向ではありますが、この5年間で3.5%割合が増していることになります。

高知県の平成28年1月の有効求人倍率は1.05倍となっており、全国平均の1.28倍を2ポイント以上下回っています。平成22年には0.54倍と大きく売り手市場の数値であったため、企業にとっては良い傾向ですが、未だ1.0倍前後で推移している状況で、持続的な買い手市場に転じているとは言えません。平成25年度の完全失業率は3.3%で、都道府県別では33位に位置しています。

高知県民の個人所得は全国第46位です

経済動向において持ち直しがみられる高知県の県民所得は、平成22年のデータによると平均217.97万円となっており、都道府県別では第46位とかなり低い水準です。収入が最低生活費を下回る世帯の割合を示す貧困率をみると、21.7%という高い値を示しており、高知県は全国で第2位に位置しています。これらのデータから高知県民の生活は厳しい状況にあると判断出来ます。

高知県は労働時間が全国平均より長くなっています

総務省の都道府県別有効求人倍率と常用労働者1人あたりの平均月間総実労働時間数で近年の推移を見てみると、平均月間総実労働時間数は、平成22年度には150.2時間でしたが、平成25年度には153.9時間まで延びており、全国平均の149.3時間を上回っている状況です。所定外労働においては、全国平均が12.4時間のところ高知県は10.2時間と短いのですが平成22年度からほとんんど変わっていません。

高知県の労働者は環境改善を積極的に訴えています

県民の個人所得の水準が低く、長時間労働の問題を抱える高知県では、ストライキなど行為をともなう労働争議が起こっており、多くの労働問題を抱えていると判断できます。

労働者からの相談件数は過去最多を更新しています

厚生労働省の発表によると、平成26年度の全国の総合労働相談は1,033,047件で、7年連続で100万件を超えています。高知県の総合労働相談件数は4,790件で、そのうち民事上の個別労働紛争相談(労働者と事業主との間の労働に関するトラブル)は1,007件です。労働局による助言・指導を求める相談は31件ですが、労働人口に対する比率で考えるとけっして少なくはありません。内容に関しては、パワハラを含む「いじめ・嫌がらせ」に関する相談の件数が全体の18.9%を占め、年々増して来ています。

「解雇」に関わるあっせんの事例

申出人は契約社員として働いていた会社から突然解雇通告を受け、次月から出勤の必要なしと言われた。そのため、契約違反であると抗議したが、申出人の日頃の勤務態度が悪いからだと一方的に言われ、自分だけでは解決できないと思い、あっせんを申請した。あっせん員が双方の主張を聞いたところ、会社と申出人の間に雇用契約書が交わされていないという違反行為があり、会社側にそのことを理解させた上で解雇の取り消しを求めた。会社側が、法令を守るため雇用契約書を交わし、解雇通告を無効とすることを認めたため、申出人が了承し、解決に至った。

ストライキを含む労働争議が発生しています

厚生労働省が発表した「都道府県、労働争議の種類別件数、参加人員及び労働損失日数」データによると、高知県では総争議件数は12件と少ない数ですが、ストライキなど争議行為を伴う争議が8件発生しています。労働損失日数は222日あり、参加人数も合計802人と少なくありません。また、半日未満の同盟罷業に参加した人数も580人と多めです。これらのデータから、高知県では企業の経済活動に大きく影響する労働問題を抱えていると判断できます。

企業は、民事上の個別労働紛争や、ストライキなどの労働争議を回避するべくリスク管理を徹底しなければいけませんが、もし、紛争・争議となった場合には、労働者側の観点で労働問題をサポートできる弁護士も増加しているため、企業としても法令を遵守し、顧問弁護士と相談しながら労働問題に当たらなければいけないでしょう。

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