労働施策総合推進法(旧雇用対策法)および派遣法による規制~知っていますか? 人材募集のルール~

面接

労働施策総合推進法(旧雇用対策法)と派遣法の留意点

年齢による差別や派遣期間にも留意が必要

実は、労働施策総合推進法(旧雇用対策法)では募集条件において「何歳以上何歳以下」というような年齢による制限を差別として禁止しています。また、派遣法では派遣労働者の派遣期間についての規制があります。派遣先の同一の事業所で派遣を受け入れられる期間は原則3年(過半数労働組合等への意見聴取により延長可)、同じ派遣労働者を同一の組織単位(課など)で受け入れられる期間は3年までとされています。

労働施策総合推進法による、年齢差別の禁止

根拠のない年齢制限は認められない?

労働施策総合推進法(旧雇用対策法)では労働者の募集、採用にあたって年齢による差別を禁止することが原則として事業主に義務づけられています。これは年齢にかかわりなく均等な雇用機会を設けることを目的としたものです。

たとえば「20~35歳以上の方を募集」と募集条件に記載することは禁止されています。

つまり、年齢の上限下限について根拠のない基準は認められないということです。けれども、労働基準法などで18歳以上の年齢でなければその業務に就くことができないなどの規定があれば「18歳以上」とし、60歳が定年と規定されている企業であれば「60歳未満(定年は60歳)」と明示することは可能です。

また、青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法)に基づく「青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針」では、概ね35歳未満の青少年の雇用状況を改善するための措置として、事業主に対して採用基準の明確化、応募資格の既卒者への開放(卒業後少なくとも3年までの新卒者として扱うことを含む)、通年採用の導入、実践的な職業能力の開発推進等の努力義務を課しています。

年齢制限には例外もある

とはいえ、年齢を記載した募集条件がすべて禁止されているわけではありません。業務により法律で従事できる年齢があるものや、資格取得のための実務経験なども年齢がかかわってきます。このため、必要な条件として年齢を示した募集をすることもできるのです。

例えば、労働基準法等法令の規定で年齢制限が設けられている場合は「18歳以上の方を募集(労働基準法の危険有害業務)」と記載することができます。

シニア社員このほか、中高年雇用対策に対応した募集では年齢の上限を上げるよう努力義務もありますが、既卒者等若者の長期育成などを目的とした採用項目では、それと分かる内容を添えて若者に限って募集することができます。

こちらは長期勤続によるキャリア形成を図る観点から若者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合で、これについては対象者の職業経験について不問とし、新規学卒者以外でも新規学卒者と同等の処遇(教育等)を受けるというものです。

「35歳未満の方を募集(職務経験不問)」「40歳未満の方を募集(簿記2級以上)」などはこの長期勤続によるキャリア形成を図る若者等の採用に該当すれば、記載する項目です。ここでも「20~35歳の方を募集」というように下限年齢をつけることは規制に反することになりますので、人材募集の際には注意が必要です。

派遣法によるさまざまな義務

年齢による差別や派遣期間にも留意が必要

事業主は派遣労働者との間に直接の雇用関係はありません。とはいえ、派遣法により派遣労働者に対するさまざまな義務があることを知っておきましょう。その一つに派遣期間の制限があります。

2015年9月施行の派遣法改正により、派遣期間の制限は業務の種類ではなく、①派遣先の事業所単位(同一の事業所で派遣を受け入れられる期間は原則3年。過半数労働組合等への意見聴取により3年ごとに延長可能)と、②派遣労働者個人単位(同一の派遣労働者を派遣先の同一の組織単位(課など)で受け入れられるのは3年まで)で規制されています。そして、期間制限に違反して派遣を受け入れた場合などには、派遣先がその派遣労働者に対して同じ労働条件で労働契約の申込みをしたものとみなされる(労働契約申込みみなし制度、2015年10月施行)ことになります。

派遣労働者は1事業所で勤務年数を重ねたいのか、あるいは数多くの事業所でキャリアを重ねたいのかその思いはさまざまでしょう。こうした派遣労働者の意向をふまえるためにも、派遣会社は派遣労働者に対し、派遣契約を結ぶ際に派遣先における抵触日がいつになるかを知らせる必要があります。

なかには派遣期間に制限のない業務もある?

専門26業務の区分は廃止され、期間制限の例外は限定的に

かつては「専門的な知識、技術または経験を必要とする業務」等として定められた26の業務(ソフトウエア開発、機械設計、秘書など)は派遣期間に制限がないとされていましたが、2015年の派遣法改正によりこの業務区分は廃止されました。現在、期間制限の対象外となるのは、派遣元に無期雇用されている派遣労働者や60歳以上の派遣労働者の派遣、終期が明確な有期プロジェクト業務、日数限定業務、産前産後休業・育児休業・介護休業等を取得する労働者の代替業務などに限られます。

派遣先の事業主は、期間制限の例外にあたるかどうかや抵触日がいつになるかを派遣元と確認し、期間制限に違反して派遣を受け入れることのないよう注意しなければなりません。

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