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埼玉県の弁護士・企業・労働状況を知る

埼玉県の弁護士事情

首都圏のベッドタウンとして人口が増加し続けている埼玉県の弁護士事情を調査しました。法曹人口に関する基礎的資料によると、平成13年の時点では埼玉県弁護士会に所属している弁護士は303名でしたが、平成23年には579名まで増加しており、増加率は191.1%となっています。増加率においては全国に52団体ある弁護士会の中で第14位と上位に位置しています。弁護士の人数を都道府県別で見ると10番目に多い数となっており、平成13年から現在までほぼ同じ位置を維持しています。

弁護士数が増加している背景

平成22年10月の国勢調査によると、埼玉県の人口は7,194,556人でした。平成17年には7,054,382人だったので、2.0%増加となります。全国的に人口が減少傾向にあるなか、埼玉県では5年間で約14万人増加しており、隣接する東京都に人口が集中している傾向の影響を受けていると考えられます。また。15歳以上の就業者数は3,482,305人となっており、そのうち2,352,355人が、運輸・通信・商業・金融・公務・サービス業などの第3次産業に就業している状況で、全体の約73%を占めています。

弁護士の数は充分ではありません

平成23年の「弁護士白書」によると、埼玉県の弁護士1人当たりの人口は12,426人に1人となっています。都道府県別で見ると第36位となっており、人口が増加している割に弁護士数が充分ではない状況が見えます。よりニーズが高い東京都と隣接していることにより、埼玉県ではなく東京都で働く弁護士が多くなることが要因の一つとして考えられます。

埼玉県の経済動向

埼玉県の経済動向に関して調査しました。関東財務事務所が発表した埼玉県分の経済情勢報告(平成28年1月判断)によると、総括判断としては「持ち直している」状況で、「先行きについては、雇用・所得環境の改善、各種政策の効果によって、着実な景気回復へと向かうことが期待される」となっています。経済状況は、個人消費においては、一部に弱さがみられるものの、緩やかに増加しており、企業収益においても、全産業で「上昇」超に転じています。前回(平成27年10月)の判断は「下降」超の幅が縮小しているという程度にとどまっていたため、平成28年になって、経済状況が上向いてきたことがわかります。

埼玉県の企業状況

埼玉県の会社数・事業所数を見てみると、平成26年度7月時点で、264,561事業所となっており、全国の総事業所数5,926,804の約4.5%を占めています。エリアで見ると、埼玉市、川口市、所沢市などに事業所の数が多いようです。内容としては、第二次産業、第三次産業が中心となっていますが、関東地方の他県に比べて第2次産業の比率が高くなっています。就業者の人数を産業の大分類別で見ると、製造業、卸売業、小売業に従事する人の割合が高くなってます。

事業所の増減を見てみると、平成24年の時点では258,199事業所であったため、2年間で0.5%の増加となります。一方、従業者数の方は3.4%増加しており、経済状況が上向いてきているため雇用が拡大されたことが要因の一つとして考えられます。

埼玉県の労働者状況

企業が弁護士を必要とする主な事情は、労働トラブルへの備えや、顧客からのクレーム対応、他社との契約書の精査などです。次は労働者側から埼玉県の労働状況を調べてみました。

埼玉県の労働環境をデータに基づき見ていくと、企業の景況感においては全産業で「上昇」超に転じていることから好調さがうかがえますが、一方では、売り手市場の就職状況など労働力等の不足による各種供給制約や、労働者の負担増などの問題があります。

埼玉県の労働力不足は依然として解決されていません

経済情勢が持ち直しつつある埼玉県ですが、非正規雇用者の割合は平成24年の時点では39.60%となっています。都道府県別のデータを見ると、第8位と上位に位置しています。一方、正規雇用者の割合を見ると、全労働者の27.96%が正社員として働いており、都道府県別では、第12位となっています。正規雇用者よりも非正規雇用者の割合が高いことが埼玉県の特徴と言えます。

埼玉県の平成28年1月の有効求人倍率は0.94倍となっており、未だ1倍以下と全国平均の1.28倍を大きく下回っています。平成22年には0.44倍まで低下していましたが、平成24年度は0.58倍とやや改善し、平成25年には0.65倍となっています。事業所数、従業者数がともに増加している状況から、景気が回復し、雇用が拡大されてきている割には人材の確保が追い付いていない状況にあると考えられます。また首都圏への交通の便の良さから、県内ではなく東京都で働くひとが多くなることも売り手市場となる要因の一つとして考えられます。

平成26年度の完全失業率は4.1%となっており、全国で10位です。この数値から、埼玉県では人手不足が常態化しているにも関わらず失業率が高く、雇用状態が不安定であることが推察されます。

埼玉県民の個人所得は全国第15位です

雇用に安定感のある埼玉県における所得を見てみましょう。平成22年のデータによると、埼玉県の個人の年間所得は278.21万円となっており、都道府県別で見ると第15位と比較的上位に位置しています。埼玉県の所得の総数は20.02兆円で、愛知県に次ぐ第5位となっています。

埼玉県民は物価が安く生活しやすい環境に恵まれています

平成25年の平均消費者物価地域差指数の総合指数(平均=100)を都道府県別にみると、埼玉県は98.7で全国の平均値以下となっているため物価が安い生活がしやすい環境と言えます。

都道府県別の最低生活費を算出し、収入が最低生活費を下回る世帯の割合を「貧困率」として見たデータによると、埼玉県は貧困率10.4%とかなり低い数値となっています。都道府県別のランキングでは第44位に位置しており、このデータからも埼玉県民にはあまり大きな格差がなく、生活環境が豊かであると推察されます。

埼玉県の長時間労働は改善されつつあります

さらに埼玉県の労働者の働き方を見てみます。埼玉県民の労働時間は全国平均が481分と約8時間であることに対して488分となっているため、平均を上回っている状況です。

総務省の都道府県別有効求人倍率と常用労働者1人あたりの平均月間総実労働時間数で近年の推移を見てみましょう。平均月間総実労働時間数は、平成22年度には144.9時間でしたが平成24年には143.7時間となり、平成25年度には142.3時間と引き続き減少しています。全国平均の149.3時間よりも6時間短くなっており、長時間労働の問題は解決されて来ました。また、所定外労働においては、全国平均が12.4時間のところ、埼玉県は11.2時間と、全国平均を下回っています。近年の推移を見ても、平成22年から24年までの2年間で0.4時間減少していましたが、平成25年度には更に0.1時間減り、緩やかながら改善されている状況にあります。

埼玉県の労働者は長時間労働・パワハラなど様々な悩みを抱えています

貧困率が低く、生活環境にも恵まれている埼玉県ですが、非正規雇用の割合が高いこともあり、様々なリスクを抱えています。

労働相談の件数は増加し続けています

厚生労働省の発表によると、平成26年度の全国の総合労働相談は1,033,047件となっており、7年連続で100万件を超えています。埼玉県の総合労働相談件数は53,740件で前年比では2.4%増加しています。民事上の個別労働紛争相談件数においては11,558件となっており、前年比では1%程度減少していますが、全国で6番目に多い数です。埼玉労働局によると、助言・指導申出受付件数は3.2%増加しており、全国平均と比較しても上回っています。

また、民事上の個別労働紛争の相談内容に関しては、「解雇」、「労働条件の引き下げ」などの事案は減少しつつありますが、「いじめ・嫌がらせ」についての相談の割合が全体の19.2%を占めており、こちらも年々増加しています。相談者の内訳を見てみると、労働者が65.6%、使用者が26.6%、友人・家族など当事者以外が7.8%となっています。労働者側からの相談が多いことが特徴的です。

いじめ・嫌がらせなどのパワハラ問題が表面化しています

民事上の個別労働紛争相談件数が増加し続けている埼玉県では、県が主体となって、各種の相談窓口を設け、この問題に対応していますが、まだ充分とは言えない状況のようです。労働争議の件数を見てみると、総争議件数は37件と少な目ですが、「いじめ・嫌がらせ」などパワハラ関連の個別労働紛争の相談が増加し続けている現状から、大きなリスクを抱えていると言えるでしょう。

一方、全国の労働局及び公共職業安定所が、非正規労働者の雇止め等の状況について調査したデータによると、総生産人口(15~64歳)10万人あたりの雇止め(派遣切り)の割合は約0.11%と低く、全国で第43位となっています。非正規雇用の割合が高い埼玉県ですが、雇止め(派遣切り)の問題は少ないようで、県及び企業側が安定雇用に関して真剣な取り組みを行っていることがわかります。

このように労働紛争を回避するため大きな努力をしている埼玉県ですが、個別労働紛争相談は増加している現状にあるため、今後も引き続き具体的な対応策が求められています。もし、労働争議となった場合には、労働者側の観点で労働問題をサポートできる弁護士の数も増えているため、企業としても法令を遵守し、顧問弁護士と相談しながら労働問題に当たらなければいけないでしょう。

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