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長崎県の弁護士事情

古くから国際貿易港として発展して来た長崎県の弁護士事情を調べると、平成13年の時点で長崎県弁護士会に所属している弁護士は67名で弁護士過疎の状態でしたが、10年後の平成23年には137名まで増進していました(法曹人口に関する基礎的資料参照)。長崎県弁護士会は、長崎市に本部を置き、佐世保市に支部を設置しています。個人、企業から依頼された個々の案件に取り組むほか、市民向けの講演会やシンポジウム等を開催し、地域の方々にとって法律がより身近なものとなるよう努力しています。さらに、市町村巡回無料法律相談会を実施するほか、学校にも弁護士を講師として派遣し、法律に関する知識を深めてもらえるよう積極的に活動しています。

長崎県の現況

平成22年10月の国勢調査によると、長崎県の人口は1,426,779人でした。平成17年には1,478,632人だったため5年間で-3.5%と大きくに減少させています。全国的に減少傾向にありますが、この数値は平均以上です。総人口における65歳以上の高齢者の割合は26.0%とこちらも全国平均を超えており、年々高齢化が進んでいます。15歳以上の就業者数は650,972人で、そのうち450,757人が、運輸・通信・商業・金融・公務・サービス業などの第3次産業に就業しており、全体の71.6%を占めています。県内総生産は4.38兆円(平成25年度)です。

依然として弁護士不足と言える状況です

平成23年の「弁護士白書」によると、長崎県の弁護士1人当たりの人口比率は10,414人となります。弁護士過疎、偏在の解消状況を調査したデータによると、都道府県別では22位に位置し、全国の平均レベルと言えますが、県民のニーズが高まっているなか、けっして充分ではない状況です。平成13年から23年までの10年間で弁護士数は倍増していますが、現在までをみても増え続けているため、今後より良い環境となることが期待されています。

長崎県の経済動向

長崎県の経済動向ですが、平成28年2月に県内金融機関が発表した経済の概況によると、総括として「全体的に緩やかな回復傾向となっている」 と報告されています。製造業においては、受注、生産ともに横ばいとなっており、一部では前年を下回っています。一方、設備投資の動向をみると、前年の実績を上回る企業が多く、先行きとしては回復の兆しが出ています。県の産業として大きな割合を占める観光業にスポットを当てると、「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録によって良い影響が出ているとみられており、国内外からの観光客の数においては前年を上回っています。

長崎県の企業状況

長崎県の会社数・事業所数は、平成26年度7月時点で67,074事業所となっており、全国の総事業所数5,926,804の約1.0%を占めています。エリアとしては、長崎市、佐世保市に集中しているようです。内容を産業の大分類別で調べると、他の都道府県と同じく、卸・小売業、製造業が中心となっていますが、観光業が発展しているため、宿泊業、飲食サービス業の事業所も多く存在しています。

平成24年の時点では65,467事業所であったため、近年増加傾向にあると判断できます。一方、平成24年から26年の間に新設された事業所数は9,442ありますが、廃業された事業所も10,056あるという状況です。従業者数の推移をみると、1.4%と僅かながら増しているため、県内経済は依然として厳しい状況にあるものの、前向きに捉えられる材料もあるようです。

長崎県の労働者状況

企業が弁護士を必要とする主な事情は、企業間で交わす契約書の精査等の理由のほか、労使間トラブルへの備え、顧客からのクレームへの対応などがあります。次は、労働者側から長崎県の労働状況を調査しました。

長崎県では非正規雇用者数が増して来ています

製造業において景気回復が足踏み状態にある長崎県ですが、総務省が雇用形態を調査したデータによると、非正規雇用者の割合は平成24年の時点で35.7%と全国平均を超えるレベルです。雇用形態別雇用者数の推移をみると、平成19年には非正規雇用者の割合は33.6%であったため、この5年間で約2%割合が増しており、雇用環境の面では不安要素となっています。

長崎県の平成28年1月の有効求人倍率は1.04倍です。全国平均は1.28倍のため、長崎県は労働力不足の状態から脱していないと考えられます。平成22年には0.49倍と大きく売り手市場の倍率で、しばらくは同様の状態が継続していましたが、平成27年10月に漸く1.0倍を超えてからは緩やかながら倍率が上がり続けています。平成25年度の完全失業率は4.1%と高い数値で、都道府県別では第10位に位置しています。

長崎県民の個人所得は全国第41位です

完全失業率が高い長崎県の県民所得をみると、平成22年のデータでは、個人の年間所得の平均は229.64万円で、都道府県別では第41位に位置する低い水準です。県内経済の回復が足踏み状態ということもあり、県民の収入は低く、収入が最低生活費を下回る世帯の割合を占める「貧困率」をみても19.1%(全国第7位)という高い比率となっています。

長崎県では長時間労働の問題は改善されつつあります

総務省の都道府県別有効求人倍率と常用労働者1人あたりの平均月間総実労働時間数で近年の推移を見てみると、平均月間総実労働時間数は、平成22年度には163.9時間と圧倒的に長かったのですが、2年後の24年度には152.5時間となり、平成25年度には150.3時間まで減少させています。しかし、未だ全国平均の149.3時間を上回る状況です。所定外労働においては、全国平均が12.4時間のところ長崎県は12.2時間とほぼ同レベルですが、平成22年には15.3時間だったため、ここ数年で改善がしっかりと進んだようです。

長崎県の労働者は環境改善を訴えています

長時間労働の問題は改善されつつありますが、長崎県では行政機関に寄せられる労働者からの相談は増加し続けており、ストライキなどの労働争議も年に数回確認されています。

パワハラ関連の相談が増え続けています

厚生労働省の発表によると、平成26年度の全国の総合労働相談は1,033,047件で、7年連続で100万件を超えています。長崎県の総合労働相談件数は9,601件で、そのうち民事上の個別労働紛争相談(労働者と事業主との間の労働に関するトラブル)は2,886件です。内容に関しては、パワハラを含む「いじめ・嫌がらせ」に関する相談件数が増加傾向にあり、不当解雇、労働条件に関する相談も同様に増しています。また、労働局による助言・指導を求める相談は118件寄せられており、労使間トラブルの解決を支援するため、長崎県では「個別あっせん制度」の普及啓発に力を入れています。

「労働条件の引き下げ」「解雇」に係るあっせんの事例

申出人は、有期雇用の正社員でしたが、雇用期間中に経営不振を理由に賃金を減額されました。その後、申出人の成績不良を理由に解雇通告されたため、あっせんを申請しました。あっせん員が会社側に解雇理由など主張を聞いたところ、相応の要件を満たしていませんでした。申出人が金銭解決を望んでおり、退職には応じてよいということで、申出人に対して退職及び解決金を支払うことで合意が成立し、解決に至りました。

ストライキ等の深刻な労働争議が起こっています

厚生労働省が発表した「都道府県、労働争議の種類別件数、参加人員及び労働損失日数」データによると、長崎県では総争議件数は6件と数においては全国平均以下です。しかし、争議行為を伴う争議が半数の3件あり、労働損失日数は22日と短いのですが、企業の経済活動に影響を及ぼす結果となっています。

企業は、民事上の個別労働紛争や、集団による労働争議が発生しないよう早期に適切な対応をしなければいけませんが、もし、紛争・争議となった場合には、労働者側の観点で労働問題をサポートできる弁護士も増加しているため、企業としても法令を遵守し、顧問弁護士と相談しながら労働問題に当たっていく必要があります。

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