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群馬県の弁護士事情

古くは養蚕・製糸・織物といった絹産業が発展していた群馬県の弁護士事情を調べると、平成13年の時点で群馬弁護士会に所属している弁護士は126名でしたが、10年後の平成23年には216名まで増し、平成28年には273名まで増進していました(法曹人口に関する基礎的資料参照)。群馬弁護士会では、県民にとって身近な法律家であることを目指し、地域に根差した活動を行っています。そのため、個人、法人からの様々な法律相談を受けるとともに、「子どもの人権110番」「外国人のための無料法律相談」などを行い、誰でも気軽に利用できる体制を整えています。

群馬県の現況

平成22年10月の国勢調査によると、群馬県の人口は2,008,068人でした。平成17年には2,023,996人だったため5年間で0.8%と僅かながら減少させています。15歳以上の就業者数は965,403人となっており、そのうち585,636人が、運輸・通信・商業・金融・公務・サービス業などの第3次産業に就業しており、全体の62%という割合です。県内総生産は、7.43兆円(平成25年度)です。

弁護士数は依然として不足しています

平成23年の「弁護士白書」によると、群馬県の弁護士1人当たりの人口比率は9,297人となります。弁護士過疎、偏在の解消状況を調査したデータによると、都道府県別では第30位に位置しており、けっして恵まれた環境とは言えない状況です。平成13年から28年までの15年間で2倍以上まで弁護士数を増やしていますが、県民からのニーズは年々増加しているため、今後もより一層充実した環境となるよう弁護士会を中心とした関係機関においては引き続き努力が必要と思われます。

群馬県の経済動向

群馬県の経済動向ですが、財務省関東財務局 前橋財務事務所が発表した「最近の県内経済情勢」によると、総論としては、「一部に弱さがみられるものの、持ち直している」と報告されてます。 先行きについては、「各種政策の効果などによって引き続き持ち直していくとみているが、海外景気の下振れなどに注意する必要がある」としています。内容をみると、生産活動に足踏みがみられるなか、個人消費は一部に弱さがみられるものの緩やかに持ち直しつつあるとされており、雇用情勢に関しても緩やかに改善していると判断しています。

群馬県の企業状況

群馬県の会社数・事業所数は、平成26年度7月時点で97,750事業所となっており、全国の総事業所数5,926,804の約1.6%を占めています。エリアとしては、前橋市、高崎市などに数が多いのですが、局所集中型ではなく、県内の各所に分散しているようです。産業の大分類別で就業者数の割合をみると、卸、小売業、製造業に就業されている方が多いのですが、農業、林業関連の事業所や建設業に就業する方の割合も首都圏に比べて高めです。

平成24年の時点では96,546事業所であったため、2年間で1.6%減少させていることになります。一方、平成24年から26年の間に新設された事業所数は13,385あり、従業者数は2.2%増となっているため、群馬県の企業状況は雇用の面では改善されつつあると考えられます。

群馬県の労働者状況

企業が弁護士を必要とする主な事情は、企業間で交わす契約書の精査等の理由のほか、労使間トラブルへの備え、顧客からのクレームへの対応などがあります。次は労働者側から群馬県の労働状況を調査したデータです。

群馬県では非正規雇用者の割合が増えています

県内経済が持ち直しつつある群馬県ですが、総務省が雇用形態を調査したデータによると、非正規雇用者の割合は平成24年の時点で38.3%と比較的高めです。雇用形態別雇用者数の推移をみると、平成19年には非正規雇用者の割合は35.4%だったため、この5年間で約3%割合が増していることになります。製造業を中心として外国人労働者の雇用が増えていることもあり、非正規雇用の割合が増す状況にあるようです。

群馬県の平成28年1月の有効求人倍率は1.31倍となっており、全国平均の1.28倍を超える買い手市場となっています。平成22年には0.70倍と売り手市場にありましたが、平成25年に1.0倍を超えてからは徐々に倍率が上がり、最近は1.3倍前後で推移しています。また、平成25年度の完全失業率は3.5%で、全国で26位に位置しています。

群馬県民の個人所得は全国第21位です

非正規雇用者の比率が高まっている群馬県の県民所得をみると、平成22年のデータでは、個人の年間所得の平均は271.57万円で、都道府県別では第21位と平均的な額です。県の経済動向において雇用情勢は改善されつつあると報告されているため、今後上向いて行くことが期待されています。

群馬県では長時間労働の問題が解決されていません

総務省の都道府県別有効求人倍率と常用労働者1人あたりの平均月間総実労働時間数で近年の推移を見てみると、平均月間総実労働時間数は、平成22年度には152.0時間でしたが2年後の24年度には155.3時間と長くなり、平成25年度には154.3時間とやや改善されたものの全国平均の149.3時間を上回る状況が続いています。所定外労働においては、全国平均が12.4時間のところ群馬県は14.5時間でここ数年増加し続けているため、労働問題に発展するリスクとして捉える必要があると思われます。

群馬県の労働者は権利を守るため積極的に行動しています

非正規雇用者の割合が高く、長時間労働も常態化している群馬県では、労働局に寄せられる労働者からの相談件数は増加傾向にあり、行為を伴う労働争議も年に数回確認されています。

労働相談の件数は増え続けています

厚生労働省の発表によると、平成26年度の全国の総合労働相談は1,033,047件で、7年連続で100万件を超えています。群馬県の総合労働相談件数は15,554件で、そのうち民事上の個別労働紛争相談(労働者と事業主との間の労働に関するトラブル)は4,428件と少なくない件数です。内容に関しては、パワハラを含む「いじめ・嫌がらせ」に関する相談が増進しており、前年同様、解雇、労働条件の引き下げなどの雇用関連の相談も多数寄せられています。

「いじめ・嫌がらせ」「退職勧奨」に係るあっせんの事例

申出人は、上司から暴言を受け続け、度重なる退職勧奨、嫌がらせがあったため本社の労務管理部や労働組合に相談したが解決せず、仕方なく退職した。会社側は自己都合対象なので就業規則により退職金を支給しないことを主張した。申出人は上司からの暴言や嫌がらせに耐えかねての退職であることを理由に、会社都合扱いで退職金の支払いを求め、あっせんを申し出た。あっせん員の調整によって、退職金相当額40万円を支払うことで合意に至った。

労働争議に関するリスクは少なくありません

厚生労働省が発表した「都道府県、労働争議の種類別件数、参加人員及び労働損失日数」データによると、群馬県では総争議件数は13件と数においては全国平均以下ですが、半日未満の同盟罷業を伴う争議が4件確認されており、参加人員は487人となっています。件数としては少ないのですが、群馬県は長時間労働など様々な問題を抱えているため今後より重大な争議が発生するリスクを抱えていると言えます。

企業は、民事上の個別労働紛争や、集団による労働争議が起こらないよう適切なリスク管理をしなければいけませんが、もし、紛争・争議となった場合には、労働者側の観点で労働問題をサポートできる弁護士も増加しているため、企業としても法令を遵守し、顧問弁護士と相談しながら労働問題に当たっていかなくてはいけません。

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