訴訟で注意しておきたい民事保全手続き

書類作成・提出

訴訟を起こす前に、まずは「保全手続き」を

せっかく勝訴したのに相手の財産が消えていた!?

お金が・・・民事訴訟を起こしてから、判決が下るまでには長い時間を要します。そうした訴訟期間中、相手が自分の方が不利だと見ると、口座からお金を移動させたり、持ち物のなかで価値の高い物を第三者に売ってしまったりと、財産隠しを行う可能性があります。

やっと満足のいく判決が出て、いざ債権を回収しようとしたら、「相手が財産隠しを行っていたためほとんど回収できなかった…」。これでは、せっかく多くの時間とお金を費やして得た勝訴判決が、まったく無意味なものになってしまいます。

訴訟を起こす前に、「相手が財産隠しをしないよう手を打っておきたい」。そんな時に利用できるのが「保全手続き」です。

「保全手続き」はいつ行うべき?

訴訟を起こす前の手続きが有効

では、「保全手続き」はいつ行えばよいのでしょうか? 相手方にとっては、口座からお金を移動させるなど、その気になれば数分で行えること。もしかすると、訴訟を起こされたと知ったらすぐ預金を引き出すかもしれません。ですから、保全手続きは、訴訟を起こす前に行うことが有効であり、一般的です。

もちろん、裁判所は保全手続きの申し立てがあったことを相手に知らせることなく、手続きを進めてくれます。

敗訴してしまった場合には賠償責任も

ただし、こちらが敗訴してしまった場合には、相手が保全手続きによって被った損失を賠償する必要があります。また、敗訴したらすぐに賠償できるよう、担保として現金を供託するなどしなければなりません。

担保を立てるかどうかや、立てる場合にその金額をいくらにするかなどは、裁判所がそれぞれの事情を考慮して決定します。担保額はさまざまですが、差押えの対象となる不動産や不動産の1~3割が相場とされています。

財産を動かせないようにする「仮差押」

法的に相手の財産を動かせなくする

保全手続きは、「仮差押」と「仮処分」の2つに大別されます。このうち、財産を法的に動かせない状態にするのが「仮差押」です。

「仮差押」が必要なのはどんな時?

たとえば、A社(お金を貸した人=債権者)がB社(お金を借りた人=債務者)に対して、納品した商品代金500万円の支払いを求める民事訴訟を起こすとします。

しかし、B社にはすでに現金がなく、めぼしい財産といえば、本社工場のみ。しかもB社は他の会社にも借金をしているようです。このままでは訴訟中に、別の会社の指示で、本社工場が売却されてしまうかもしれません。こうしたケースで有効になるのが「仮差押」です。

「仮差押命令」を受けたらどうなる?

土地や建物などの不動産が仮差押命令を受けると、そのことが不動産登記簿に記され、たとえその後、売買されたとしても、その取引を無効にすることができます。また、預金が仮差押命令を受けた場合には、裁判所から金融機関に対して払い戻し禁止命令が出されます。

債務者は、勝手に土地や建物を売ったり、預金を引き出したりすることができなくなり、債権者は、勝訴後スムーズに債権回収を行うことができます。

「仮差押命令」が出た後はどうすればいいの?

仮差押は、あくまで判決が出るまでの措置。仮差押を行った後には、必ず訴訟を起こさなければなりません。一定期間内に訴訟を起こさなければ、仮差押自体も無効となってしまいますので、注意が必要です。

お金以外の権利を保全する「仮処分」

仮処分は、金銭債権以外の権利を保全するための手続き、いわば、お金以外の権利を保護するための保全手続きです。仮処分には、以下のように「係争物」や「地位」に関わるものがあります。

1.係争物に関する仮処分

係争物とは、訴訟の争いの目的となっている物のことです。訴訟中に、争いの目的になっているものを勝手に第三者に又貸ししたり、売ってしまったりすることを禁止します。

2.仮の地位を定める仮処分

不当な理由で解雇された従業員などが、訴訟中の生活を保障してもらうため、会社における地位の保障や賃金の仮払いなどを求める時に利用します。

仮差押が認められるまでの流れ

仮差押に至るまでの流れを確認しておきましょう

債権回収を巡るトラブルで相手方財産の保全を目指す場合、一般的には、まず仮差押による保全手続きを検討することになります。仮差押が認められるまでには、以下のような流れで手続きを進める必要があります。

1.申立書の作成

まずは、裁判所に「仮差押命令」の申し立てをする書類を作成しましょう。保全が必要な理由を明らかにする資料や目的物の目録、謄本などを添付します。

2.申立書の提出

不動産の仮差押を求める場合には、訴訟を管轄する裁判所、あるいは仮差押の対象となる不動産の所在地を管轄する裁判所に申立てます。

3.審理

仮差押は、債務者に知られないうちに迅速に処理しなければなりませんので、多くの場合、書類と債権者に対する面談のみで審理されます。

4.担保の決定と提供

裁判所から担保の要・不要、また、必要な場合には担保額の連絡があります。金銭を提供する場合には、指定された金額を法務局に供託します。

5.仮差押命令の発令

担保提供後、裁判所が仮差押命令を発令します。債務者には仮差押の効力が生じた後、保全命令の決定正本が送付されます。

「仮差押」には複雑な手続きを要する

スピーディな手続きが必要

保全手続きには、「相手の財産隠し等を防ぐ」という目的があるため、スピーディに手続きを進める必要があります。とはいえ、実際の裁判でどちらが勝訴するかは判決が出るまでわからないため、裁判所が容易に仮差押などを認めてしまうと、非のない相手方に大きな不利益を与えてしまうことも考えられます。

弁護士そのため、保全に関わる手続きや必要要件はとても複雑かつ厳格で、誰もが簡単に行えるものではありません。無理をして自分で手続きを進めるよりも、まずは企業法務や債権回収を専門とする弁護士に相談するのが得策です。

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